戦争が終わってまもなくの昭和24年、
滋養が付く食べ物を子どもたちに食べさせたい―。
そう考えた市岡友三郎が、かりんとう工場をつくりました。
それが市岡製菓の始まりです。
当時は貴重だった砂糖をくつくつと煮込み
工場内には甘い匂いが立ちこめました。
かりんとうができたら
みんなで朝食を囲む―。
そんな家族のような会社でした。
お皿に盛っておけば、誰かの手が伸びてきます。
口に放り込むと、さくっとした歯ごたえ。
焦げた小麦が香ばしく
蜜が舌を転がると、手が伸びてもうひとつ。
「疲れたときにほっとするね―。」
みんなでつまむと話も弾みます。
市岡製菓のかりんとう工場をちょっとのぞいてみましょう。
かりんとうの主原料は、小麦粉と砂糖です。
前の晩から発酵させた小麦粉を機械と人の手で練り上げ
米油を熱した3つの窯をくぐらせて揚げて、蜜漬けを行います。
そのとき工場内の温度は夏場で50度近くに。
「熱いな。仕事の後はビールがうまい!」
それしか言えない仕込み担当の平井さん。
安全、安心や手を抜かないのは当たり前。
食べる人に思いをはせて
材料を準備、調合して火を入れ
包装してお届けする。
そのことの繰り返し。
徳島で採れる野菜、穀物、果物を
身近に感じていただけたら。
その思いをかたちにしたかったのです。
飾らないお菓子のなかに
私たちが愛している四国・徳島の風土や
作り手のやさしさを感じてもらえたらいいな―。
市岡製菓の思いです。